工房の片隅で眠っている革漉き機(かわすきき)。ニッピ(NIPPY)やバードランドなどの工業用革漉き機は、刃が錆びている、砥石が割れている、重くて動かせない状態でも高価買取が可能です。新品価格が高騰していることから、中古市場ではプロやハイアマチュアからの需要が絶えません。本記事では、革漉き機がなぜ高値で取引されるのか、その理由や買取相場、注意点について詳しく解説します。
革漉き機の処分に悩む方へ
工房の片隅で眠る「重い機械」
「工房の片隅でカバーを被ったまま眠っている革漉き機」「刃が真っ赤に錆びついている」「砥石が割れてしまっている」「重すぎて一人では動かせない」――こうした状態の革漉き機をどう処分すればいいのか、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
革漉き機は本体(頭部)だけで約40kg、台やモーターを含めると80kg近い重量物です。粗大ゴミとして処分しようにも、運び出すのが大変で、処分費用も高額になることがあります。
しかし、処分を考える前に、ぜひ一度ご相談ください。刃が錆びていても、砥石が割れていても、革漉き機にはまだ価値が残っています。
なぜ「錆びた革漉き機」が高く売れるのか?
プロ仕様の新品価格が非常に高額
ニッピ(NIPPY)やバードランドなどの信頼できる工業用革漉き機は、新品で購入すると数十万円から、高いものでは100万円近くします。これから本格的にレザークラフトを始めたい人や、独立して工房を構える作家さんにとって、新品は簡単に手が出せる金額ではありません。
そのため、「整備すれば使える中古品」の需要が常に供給を上回っているのです。
「刃の錆び」は致命傷ではない
革漉き機の心臓部である「丸刃」は、巨大な円形の包丁のようなものです。鋼(はがね)でできているため、使わなければ当然錆びます。しかし、表面が錆びていても、専門の業者が研磨機にかけて研ぎ直せば、新品同様の鋭い切れ味を取り戻します。
プロの世界では、刃は研ぎながら小さくなるまで使う消耗品です。そのため、錆びは減額対象にはなりますが、買取不可の理由にはなりません。
減額対象でも「買取OK」な状態チェックリスト
「さすがにこの状態では無理だろう」と諦める前に、以下のリストをご確認ください。これらは革漉き機の買取において許容される状態です。
- 丸刃の激しい錆び
全体が赤茶色に錆びついていても、研磨で再生可能なので買取対象です。刃が欠けていても、程度によっては修正可能です。 - 砥石(ビヤ樽)の割れ・欠け
火花を出すための砥石が割れていたり、すり減ってなくなっていても大丈夫です。砥石は交換可能な部品です。 - 調整ダイヤルの固着
革の厚みを調整するダイヤルや、送り速度のダイヤルが油切れで固まって動かなくても、分解整備で直るため問題ありません。 - 台(テーブル)の油汚れ・腐食
工業用ミシンと同様、作業テーブルが油で汚れていたり腐食していても、機械本体(頭部)に価値があります。
革漉き機の買取相場
革漉き機の相場は、メーカーや付属しているモーターの種類(古いクラッチモーターか、新しいサーボモーターか)によって大きく変わります。以下は代表的なモデルの買取相場です。
| メーカー / 代表モデル | 特徴 | 状態:サビ・不動・難あり | 買取相場 |
|---|---|---|---|
| ニッピ (NIPPY) NP-1 / NP-2 シリーズ | 日本のスタンダード機。最も信頼性が高く需要がある。 | 部品供給も安定しており、中古市場で一番人気 | 〜40,000円 |
| バードランド (Birdland) LC-P20 など | ニッピと並ぶ人気メーカー。 | ニッピと同等の性能を持ち、高値で取引 | 〜35,000円 |
| ZIT TOOL など | 台湾・中国製メーカー。 | 比較的安価なモデルが多い | 〜15,000円 |
| Fortuna (フォルトゥナ) など | ドイツ製などの高級機。 | マニアックな需要があり、モデルによっては非常に高額 | 〜50,000円 |
※上記は相場の一例です。比較的新しい「サーボモーター(静音で速度調整ができるモーター)」に交換されている場合は、さらに高額査定となります。
革漉き機と一緒に「レザークラフト道具」もまとめて整理
革漉き機をお持ちの方は、厚物用の工業用ミシンや、大量の革、専門道具なども持っているケースがほとんどです。出張買取なら、重い機械と合わせてこれらをまとめて片付けることができます。
厚物用・工業用ミシン
三菱のDYシリーズや、セイコーの腕ミシン、JUKIの厚物用モデルなど、革を縫えるミシンは高価買取対象です。
在庫の革(レザー)
牛革の半裁(一頭分の革)や、クロコダイル、パイソンなどのエキゾチックレザーで、未使用の素材があれば査定します。
専門工具・ハンドプレス機
刻印、革包丁、ポンチ、ハンドプレス機などの専門道具もまとめてお引き取り可能です。
高く売るための「やってはいけない」こと
固まったダイヤルを、工具で無理やり回さない
厚み調整ダイヤルなどが長期間の放置で固着している場合、ペンチなどで掴んで無理に回さないでください。内部の真鍮製のギアが破損すると、修理が高額になります。動かないなら、動かないまま査定に出すのが賢明です。
古い配線のまま電源を入れない
何年も使っていなかった場合、モーターやスイッチの配線が劣化して漏電している可能性があります。無理に通電して火花が出ると危険ですし、モーターが焼き付く原因にもなります。そのままの状態でお見せください。
錆びついた「ニッピ」、次の職人が待っています
「もう革細工は引退したから」そうやって作業場に残された革漉き機は、本体(頭部)だけで約40kg、台やモーターを含めると80kg近い重量物です。これらを安全に搬出し、次の使い手へと繋ぐには、専門のノウハウが必要です。
「錆びて動かないニッピがある」「重くて運び出せない」とお困りなら、まずはメーカーと型番をお知らせください。LINEで写真を送るだけの事前査定も可能です。刃の錆びた状態そのままで撮影してください。
あなたの愛機が、整備を経て、次の職人の元で再び火花を散らすお手伝いをさせてください。
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